土地活用通信 2024年4月号 - 土地活用の原点|最適な土地活用をサポート
土地活用通信

土地活用通信 2024年4月号

賃貸管理ニュース

競合物件と比較し『一番化』を行う空室対策手法【条件編】

今年の繁忙期は、コロナ禍で契約が少なかった時期の反動もあり、退去が少ない傾向が見られるエリアが散見しております。先月お伝えさせていただきましたように、物件の稼働率を上げ収益性を安定させることは、賃貸経営を行っていく上で最も重要になります。そのため、退去が少ないことはオーナーの皆様にとって良いことと言えるでしょう。
ただ、繁忙期が終わったからと言って、退去が全く発生しないわけではありません。今回は年中続く空室の懸念に対して、どういった対策を行っていくべきか、お伝えさせていただきます。

競合物件と条件面を比較し一番化を行う

まず、ご自身の所有している物件が、同一エリアの競合となる物件と比較して、どこが勝っていて、どこが劣っているかを知ることが大事になります。下記の表は、競合物件との条件面を比較する際に使用するものになります。

対象となる**ハイツA101ですが、同じくらいの広さで築年数が新しい物件と比較してみると、家賃が高めだということがわかります。また、敷金・礼金を無くすことで、競合物件との差別化を図ることができるということもわかります。以前にもお伝えさせていただきました通り、昨今お部屋探しのお客様の大多数は、スマートフォンで大手ポータルサイトのアプリや、インターネット検索を活用します。検索する際に、右下の画像のように、「管理費・共益費込み」「礼金なし」「敷金・保証金なし」といったチェック項目があります。

近年は、引っ越し時に初期費用を抑えたいと考える傾向が顕著で、ここにチェックして検索する方がほとんどとなっております。敷金や礼金がありの状態で募集している方は、この機会に見直してみてください。どうしても敷金を徴収しておきたいという場合には、代替案として退去時に最低限のハウスクリーニング費用をもらう方法もあります。是非、一度弊社までご相談ください。

業界ニュース

オーナーによる残置物撤去の自力救済について

弁護士法人一新総合法律事務所 弁護士 田上 博也 氏
賃貸借契約を解約した後、入居者が残置物を撤去しない場合、オーナーはどのように対処するべきでしょうか。本稿では、オーナーによる残置物撤去(自力救済)についての法的な基礎と注意点を説明します。

■自力救済の法的な基礎

自力救済とは、自分の権利を侵害されたときに、裁判所に頼らずに自分で救済することです。自力救済は、社会に存在する紛争のすべての解決を裁判所が引き受けることができない以上は一定の範囲で認められますが、その範囲は極めて限定的です。
オーナーの残置物撤去についていいますと、入居者の残置物に対して無断で処分したり、損壊したりすることは、入居者の所有権を侵害する不法行為となります。場合によっては器物損壊罪などの刑事罰に問われてしまう可能性もあります。
以下の裁判例においても、オーナーと入居者との間で入居者の所有物の搬出の合意を部分的に無効としたものがあります。

■東京高裁平成3年1月29日判決

本件の賃貸借契約書には、「賃貸借終了後、賃借人が本件建物内の所有物件を賃貸人の指定する期限内に搬出しないときは、賃貸人はこれを搬出保管または処分の処置をとることができる」旨の条項がありました。
そして、オーナーが、入居者の賃料滞納を原因として契約を解除し、本件建物の入口扉に錠を取付け、その後本件建物に存在した入居者所有の動産類を搬出処分したことから、入居者がオーナーに対し、違法な自力救済であるとして損害賠償を請求した事案になります。
裁判所は、契約書中の上記規定内容は、本件建物について賃借人の占有に対する侵害を伴わない態様における搬出、処分(例えば、賃借人が任意に本件建物から退去した後における残された物件の搬出、処分)について定めたものと解すべきであるとして、入居者がまだ居住しているにも関わらず、残置物を撤去してしまうことは認められないことと判断されました。

したがって、オーナーは、入居者の残置物を撤去する際には、まずは入居者に対して、退去後の残置物の撤去を求めるべきでしょう。
あるいはオーナーの費用負担で残置物撤去を行うとの通知書を送付し、残置物の所有権を放棄して撤去されることにつき異議がないことについて入居者と合意書を取り交わし、客観的に残置物撤去の許可を得たことの書面を残しておくことが望ましいといえます。
「参考】残置物の処理等に関するモデル契約条項の解説等 https://www.mlit.go.jp/common/001486429.pdf

土地活用コーナー

親が老人ホームに入居して実家が空き家に!実家を売却するベストなタイミングとは!?

「高齢の母が実家で一人暮らしをしていますが、老人ホームへの入所を検討しています。しかし、母が施設に入所すると実家が空き家になってしまいます。マイホームを売却する際に譲渡所得から最高3000万円を控除できる制度を親が利用できる期限内に実家を売るべきか悩んでいます」という相談がよく寄せられます。こうした状況になった場合の検討のポイントについて考えてみました。
―マイホーム売却の3000万円特別控除を親が使う
マイホームを譲渡した場合、一定の条件で課税対象となる譲渡
所得から最大3000万円まで控除ができます。差し引く金額だけ課
税所得が減るので所得税を抑えられます。この特例を受けるには、
自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権
を売ることが条件です。また、以前に住んでいた家屋や敷地等の
場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが必要です。しかし、施設に入所して実家が空き家になるからと言って、親がこれまで暮らしていた住まいを売るのは簡単ではなく、抵抗があるものです。
―相続後に子が空き家売却の3000万円特別控除を活用
実家の家屋と敷地を相続した相続人が、亡くなった日から3年を経過する日を含む年の12月31日までに相続した実家を売却することを条件に、相続した人が譲渡所得から3000万円の控除を受けることができます。売却にあたっては、一定期限までに家屋を解体または耐震工事を行うなどの要件を満たす必要があります。こうした条件を満たせば、実家の家屋または土地の譲渡所得から3000万円を特別控除できるという制度です。ただ対象となる建物が、1981年5月31日以前に建築され、区分所有建物登記がされていないこと。また、被相続人が施設入所前に一人暮らしだったこと。さらに、施設入所により被相続人が家に住まなくなった時から亡くなる直前まで、その家屋が事業や貸し付け、または被相続人以外の人の居住用として使われていなかったことも条件です。よって、実家の建物が1981年5月31日以前に建てられた一戸建てならば、親の施設入所から3年経過する日を含む年の年末までに親が売らなくても、親の死後に解体などの条件を満たせば相続した子が3000万円控除の特例を受けられます。
―1981年6月1日以降に建った一戸建てやマンションは
実家の建物が1981年6月1日以降に建てられた一戸建てや分譲マンションの場合は、相続した空き家の特別控除が使えません。3000万円の控除を受けたいなら、親自身が住まなくなった日から3年を経過する日を含む年の12月31日までに自宅を売る必要があります。ただ、考えてみると、施設に入るために必要な現金を親が持っていて実家を売却する経済的な必要はない場合、すぐに売るのがよいのかは少し考える必要があります。仮に親が自宅売却で得た現金を相続発生まで保有したままだと、相続財産にその現金が含まれるため、売らずに実家を相続する場合よりも相続税が高くなる可能性があるからです。土地と建物の相続税評価額は時価よりも低くなることがほとんどですが、現金はそのまま評価されますので、実家を売らず不動産を継ぐほうが相続税評価額も税額も低くなるからです。また相続後に実家を売る際は、相続税額のうち一定金額を譲渡益から引く「取得費」に加算できる仕組みが使えるので、譲渡所得を低くできる効果を享受できます。

今回実家を売るべきベストなタイミングについて紹介しました。ただ、親が施設に入所するための資金を十分に持っているか否か、実家売却で相続税が高くなる可能性があるか、実家が1981年5月31日以前に建てられた一戸建てなどか否かなど、ケースによって様々な選択肢が考えられます。実家の売却、不動産や相続税についてのご相談は弊社まで。
※出典:日本経済新聞

土地活用コーナー②

費用5分の1で浴室を新品同様に!浴室リフォーム工法 「ふろいち」

ホテルの客室や住宅のリフォームなどを手がける理想化研(神奈川県相模原市)は、浴室リフォーム工法「ふろいち」を展開している。浴槽や水受けボウルといった設備を交換することなく、低コストで浴室を新品同様に再生する。

浴室の状態や顧客の要望に応じて「磨き」「塗り」「貼り」の三つの作業を組み合わせる。磨きの作業では、フッ素樹脂製の磨き材を使い、ハウスクリーニングでは取り切れない水あかや黄ばみ、カビなどを落とす。塗りの作業では、塗装材を吹き付けて浴槽や水受けボウルを新品のような見た目にする。さらに壁や床へパネルを設置する貼りの作業を行えば、壁を木目調に変えるなどして物件の価値向上を狙うことも可能だ。 費用は磨きのみであれば約2万円から。パネルを貼る作業まで行っても20万円から40万円程度に収まる場合が多く、浴槽などの交換を行うリフォームに比べて費用は2分の1から5分の1に抑えられる。

1985年の創業以来の累計工事実績は約4万件。工法はフランチャイズチェーン(FC)展開しており、加盟する施工事業所は北海道から沖縄県まで全国に126店となっている。施工先は持ち家・賃貸住宅やホテルなどで、賃貸住宅への施工は年間850件ほど。ホテルや高級賃貸などでのリピート利用も多い。

施工に使用する磨き剤・塗装材・貼り付け用パネルは、すべて自社開発・自社製造を行う。小林誠司社長は「研究を重ねて作ったオリジナル製品を使うことで、仕上がりの質を上げると同時に安定した利益率を確保している」と話す。

今回は、浴槽や水受けボウルといった設備を交換することなく、低コストで浴室を新品同様に再生するという事例を紹介させていただきました。オーナーの皆様は、リフォームにかかる予算を明確にして、コストと効果をバランスよく見極めたり、リフォームが資産価値や賃料収入にどの程度影響するか計算することが重要です。また、賃貸物件を工夫して付加価値をつけ他社と差別化することも求められます。弊社は、地元で建築、不動産の観点から、オーナー様の方々の賃貸経営について、そのような提案・アドバイスが可能です。賃貸経営について、お悩みでしたらまずは一度弊社にご相談いただけると幸いです。
※出典:全国賃貸住宅新聞

税務相談コーナー

いわゆる空き家控除

税理士法人タックスウェイズ 税理士 後藤 勇輝 氏
首都圏ではマンションだけでなく土地の高騰も続いております(2024年2月現在)。不動産系ユーチューバーのお話を聞くと、もう頭打ちとも聞きますし、クライアントからは建売り住宅の販売期間が延びてきたとも。今回は、相続後に土地を売却するケースで多く相談のある、空き家控除について、制度としなくてはならない手続きなどをみていきます。
どのような制度か?
いわゆる空き家控除は、正式には「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」と法律に規定されております。その制度は、お亡くなりになった親などから相続した自宅が空き家になっていた場合に、3年以内に取り壊しなどを行って売却すると最大で3,000万円の控除が受けられる税制優遇の施策です。
条件は?
空き家控除の条件は、かなり複雑ですので詳細は税務署、税理士にご確認ください。大まかな条件だけ示しますと、以下のとおりです。
・相続又は遺贈により取得した被相続人の居住用家屋または土地を売却すること
・売却は相続開始日から3年を経過する12月末まで、売却代金は1億円以下であること
・耐震基準を満たす家屋への補修又は取り壊しなどを行うこと
・所在地の区市町村から空き家であったことの証明書を発行してもらうこと
何をしないといけない?
空き家控除は、適用できるまでに長期にわたり実行すべきことがあります。適用できる条件に合うように、時期、売却金額、家屋の取り壊し、ガス電気の閉栓確認、自治体への証明書発行申請の手続きなどを進めていく必要があり、最終は譲渡の翌年3月15日までに譲渡所得の確定申告をすることになります。
不動産屋さんでご案内する場合の注意事項
空き家控除は、以上のように取り扱いが複雑です。適用できる可能性のあるお客様には、税務署又は税理士の確認を必ずしておき、素人判断で進めないことです。また、売却までアテンドする際は、顧問の税理士に最初の相談のところからフォローして頂くようにすることが安全策です。

具体的な手続きは、税理士・税務署にて詳細の確認をされて、進めて頂けるようお願いいたします。

不動産ソリューションコーナー

賃貸経営の経費計上について

賃貸経営では経費を適切に計上することが重要です。今回は賃貸経営を行っていく上で、計上できる経費の種別と、経費計上の判断基準についてお伝えさせていただきます。

【経費計上の判断基準について】

賃貸経営の経費として計上できるものは、原則「賃貸経営に直接関係している費用」のみです。無差別に経費として認められ、計上できるわけではありません。
仮にオーナー様ご自身が、賃貸経営に少なからず関係していると思っていても、税理士の判断で、会計上その支払いが賃貸経営に直接関係する費用とは見てもらえない場合があります。 例を挙げると、日々の交通費や通信費等は計上が難しいものとなっております。
賃貸経営において経費を適切に計上することは「確定申告」に深く関係します。もし経費として認められない費用を計上してしまった場合、正しく確定申告したとは認められません。細かい金額でも積み重なると、修正申告が求められ、悪質だと判断されれば追徴課税を課せられるケースもあります。

【経費計上できるものを見ていきましょう】

①減価償却費
備品や建物など、時間の経過や使用で価値が変わっていく固定資産に対して行う会計処理で、アパートの取得額を法定耐用年数で分割して毎年少しずつ費用として計上するもの。
②アパート経営で発生する税金
固定資産税、不動産取得税、登録免許税、印紙税、事業税、都市計画税など。
※一部の税金はアパート経営には無関係な部分も含まれている可能性があり
③管理委託費用
経営する物件を管理してもらうために管理会社に支払った「管理費」や「管理委託費」。
④修繕費用
経営するアパートの修繕にかかった「修繕費」(原状回復工事費用含む)。
⑤賃貸経営に関わる保険料
経営する物件に関わる火災保険や地震保険など(自宅等の分は計上不可)
⑥借入利息
物件取得のために借り入れた「借入金の返済の利息部分」(元金が計上不可)

その他にも、賃貸経営の運営上、経費として認められるものもありますので、現状正しく経費計上できているかどうか気になるという方は、是非一度ご相談ください。

お問合せ先
土地活用相続対策研究会
株式会社野田建設

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